ハードウェアベンチャーのシードアクセラレーションプログラム「HAXLR8R」のDemo Dayを見てきた!
アメリカのベンチャー界隈では、まだプロダクトをローンチしていない会社に対して比較的少額の投資とオフィスやサーバ等の環境、そしてメンターによるアドバイスや人的つながりなどのサポートを受けながら一定期間開発をし、発表会で投資家から次の資金を得る、という手法が定番化しています。
この手のプログラムのほとんどはWebサービスを対象としていますが、今回紹介するHAXLR8Rはハードウェアベンチャーに特化したアクセラレーションプログラムで、おそらくそれなりの資金や規模をもって行われるプログラムとしてはアメリカでも初なんじゃないでしょうか。
The World's First and Largest Hardware Accelerator - HAX
このプログラムに選ばれたチームは111日間、中国の深センで様々な支援を受けながらプロジェクトを進めていて、今回はその第一期メンバーの成果を発表するイベントが6/18にサンフランシスコで行われました。
アメリカから5チーム、ヨーロッパから2チーム、そしてアジアから2チームの全9チームがピッチ及びブース展示を行なっていました。
ブース展示の様子
各ベンチャーのプロダクト内容
ピッチの発表順で書くチームの開発内容をご紹介したいと思います。
まず最初にHAXLR8Rの紹介。MakerムーブメントでベンチャーでもHW開発が可能になってきた、というような時代背景などの説明もありました。
以下書くチーム毎にのメモです。
AXIO
http://www.axioinc.com/
センサーで脳波を取得し、Bluetoothで通信するヘッドバンド。
展示では脳波の状態を画像で表現するというデモを行なっていました。集中していると画像がはっきりと映り、注意力が散漫になると画像がぼやけて映るというデモ。
AXIOでは集中力を高めるための用途がメインのようです。日本でもネコミミが出たり、ここのところ脳波系ちらほら話題になっているのはなんでなんだろう?特にこの分野でブレイクスルーがあったとは認識していないけど、ちょっと注目しておこう。
bilibot
http://www.bilibot.com/
ロボットのプラットフォーム。いかにもロボット大好き!って感じの開発者でした。
人が乗っても大丈夫なパワーを持っています。これは普通にこれでお金取れるw
KINDARA
http://kindara.com/
妊婦のためのサービス。
「母が初めて妊娠した時にとても不安になった、、、」というストーリー重視の発表。医療系とかでは特に重要だよね。
チームメンバーにちゃんと医師も入っている。
LOCCIE
http://www.loccie.com/
旅行を楽しくするのがコンセプトの位置系サービス。独自ハードウェアでのナビゲーションもあり。
コレ系はいかに魅力のあるツアーを提案できるかってところが難しいよね。
Makeblock
http://makeblock.cc/
いろんなものと組み合わせることのできるシャーシ。
オープンソースでソフト、エレキはそろうけど、メカがない!のでそれを提供する。
ホビーでの作品制作でメカがハードル高いっていうのはそのとおりだと思うので個人的には結構期待している。
Sassor
http://www.sassor.com/
日本から唯一の参加。取り付け型のスマートメーターで電力を測定して可視化するサービス。
国内の有名VCの幾つかから出資を受けていて、プロダクトはSoupStockTokyoなどで導入実績あり。
スマートメーター自体のマーケットはかなり確実に広がっていくのでどうやってシェアを確保していくのかが課題かな。
ScoreBoard
http://portablescores.com/
スマホからコントロールできたりする得点板。キックスターターでファンディング中。
スマホ連携して試合結果を共有、とかはもうちょっと見せ方変えると化けると思うんだけどなぁ。
SHAKA
http://shakaon.net/
iPhoneにつける風力計測。エストニアから参加のチーム。
スマホにセンサを接続してデータをシェアする、というのは鉄板だと思う。開発者がウィンドサーフィンをやっていて、自らの問題を解決しているのが大きなアドバンテージ。
nomiku
http://www.nomiku.com/
温度調整して食材を美味しくボイルするデバイス。堂々とした発表、さすがだー。料理系は将来性が期待できるので楽しみ。
期待値が大きいせいか、今のプロダクトはちょっと物足りなく感じた。せめてネットワーク機能は入れて欲しかったなぁ。現状はレシピはあるけど、手動設定。
感想
全体的にみて、さすがアクセラレーションプログラムの発表だけあって、プロダクトの内容はもちろん、マネタイズやメンバー紹介も欠かさず発表に入っていたのが印象に残った。
プロダクト自体に関して言うと、国内の個人やベンチャーの開発者でも全然勝負になる、というかMTMなどを見ていると優位に立っていると言っていいと思う。
でも、シリコンバレーの投資スキームに乗せることによって、その名の通りアクセラレートされていき、やがては大きな市場を勝ち取るという道筋が描けている。
nomikuも、Portable Scoreboardもkickstarterでfundingしているのだが、どちらもゴール設定が20万ドル。20万円じゃなくて、20万ドル!
- Nomiku: bring sous vide into your kitchen. by Lisa Q. Fetterman — Kickstarter
- Portable Scoreboard (Canceled) by Bob Baddeley — Kickstarter
成立するかどうかはさておき、メンターのアドバイスを受けつつ設定するのがこの目標になるというところが重要。日本じゃこの設定に挑戦しようとする起業家も、それをアドバイスできるメンターもいないよね。
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100人以上の方に支援を表明していただいていますが、まだ成立には至っていません。成立しなければ決済はされません。
上述したアメリカでの様子とはだいぶ状況が違いますが、羨んでも仕方ない。国内でやるということにも意味があると思っています。成功事例が一つでも出来ればきっと、「自分だって」って思う人が出てくるはず。そんなループの発端になれれば、、、
あとひと踏みのアクセラレーションを、お願いします!