コンピュータ歴史博物館に行ってきた

マウンテンビューのGoogleオフィスのほど近くにコンピュータ歴史博物館というところがあって、先日行ってきたのでちょっとご紹介します。
http://www.computerhistory.org/


その名の通りコンピュータの歴史に関する様々な展示がされてます。


展示はパンチカードからメインフレーム、パーソナルコンピュータ、そしてWebへ、といったように歴史を追うような順で展示されている。

巨人IBM

前半ではパーソナルコンピュータ以前のの世界のコンピュータってほんとIBM一色だったんだなぁというのが結構印象に残った。
http://www.computerhistory.org/revolution/mainframe-computers/7/161
もちろん本では読んだことあって知ってたけど、Windowsが現れてソフトの時代になってIBMが衰退していったのって当時の人達にとっては凄い衝撃だったんだろうなぁ、と。それぐらいの歴史のスパンで考えると今の日本のメーカーが3社くらい潰れたとしても大した驚きじゃないなーとか。

コンピュータの歴史上、IBMは時代に取り残されて負けた代表例にあげられるからあんまりいい印象はなかったんだけど、展示されてるものを見ると、結構いいものつくってたんじゃないかなって思う。デザインとか凄くいい。2001年宇宙の旅に出てくる巨大コンピュータHALの名前はIBMを1文字ずつずらした、というのは有名な話だけど、キューブリックの描く世界のコンピュータがまさに存在してたんだなーと、そう思うとこのまま順当な進化を見られなかったのは残念な気もしてくる。

黎明期に散った夢

コンピュータの黎明期にその可能性を感じていろんなことに挑戦した人たちがいて、中にはあまりにも先進的すぎるものもあった。その代表がこのキッチンコンピュータ。レシピっぽいものを表示できるようなんだけど残念なのは表示が貧弱すぎて、食材ごとにコードが割り当てられそのコードを覚えないといけなかったとか。
キッチンコンピュータって最近になってやっとタブレットがキッチンでも使われ始めたけど、この頃からアイディアはあって、しかもこれはちゃんと製品として作られ、広告出して売りだされたらしい(が、一台も売れたという記録は残ってないとかw)。

当時は理想というか夢はあったけどまだまだ技術がついてきてなかった。今の技術があれば、本当に訳に立つキッチンコンピュータがあってもいいと思うんだけど現実には存在しない。技術はもうとっくに必要なレベルを追い越してるはずなんだけど、今はそれを作れる人や組織がない。何このジレンマ。

プログラミング言語

プログラムとその歴史などについての展示もあるので、あまり詳しくない人でもプログラムがどんなものか興味をもつきっかけになるかもしれない。写真は増えていく言語を表したグラフ。右端の方はもうなんだかよくわからないw

CMでわかるそれぞれの会社が目指していたもの

そして、パーソナルコンピュータの時代。アップルとIBMが出したテレビCMが流れてたんだけど、この違いが面白い。

IBM PCは書類に囲まれたて困り果てたチャップリンがPCを手に入れて開放されるというもの。仕事の効率化に使えますよ、というCM。一方Apple2のCMは子供の教育に使ったり、クリエイティブに使っているイメージを映し出していた。実際には当時のコンピュータでできることなんてたかが知れてるんだけど、明らかに方向性が違っていて、それが今もそのまま残っている。
Appleは近年業績がとてもいいけれど、歴史の中では業績の悪い時代もあって、それでも創業の頃から目指しているものがブレてないっていうのが素晴らしいと思った。

そういう意味でちょっと残念だったのはPalmかな。PalmのCMも流れていたんだけど、これが凄く面白い。ビジネスウーマン風の女性が電車に乗って、はーつまんなになーみたいなことになってるところに向かいに停まっている電車にイケメンが乗ってきてPalmの無線通信でアドレス交換する、というストーリー。一体お前は何を目指しているんだww Palmがどういう世界を描いていたのか、今となっては知る由もないんだけれど。

期間的には短い歴史の中でこれだけの変化が起こって今や無くてはならないものになったんだなぁと思うと改めてありがたみを感じますね。ちょっと動作が重いとか落ちるとかくらいいいじゃないかw

派手さはないんだけどIT業界に関わってる人なら楽しめるところなのでぜひ一度は行ってみる事をおすすめします。