勝つ会社の決定的な差別化要因

スマホで魚をコレクション――サンシャイン水族館が期間限定でサービス提供 - ITmedia Mobile

正直ベタだな、と思った。

世界的に有名な美術館や博物館では各国語対応したイヤホン端末でガイドを聞くというのは昔からあって、スマホなどをつかってよりリッチなコンテンツを配信しようという要求は以前からあって、実際に使われた例も少なくない。だから、水族館で魚をというのはこの手の企画会議を経験したことある人なら誰でも思いつくようなアイディアだ。

NFCというテクノロジは非接触ICカードの共通規格なだけであって、同じ事の出来る技術はずっと前から存在していて、現に国内ではSuicaなしでは移動出来ないくらいに浸透している。AndroidではシステムでNFCをサポートしているため、NFCからカード情報を読み取ってそれに対応するアクションを起こす、というのはプログラミング1年生でも参考書読みながら実装出来るレベルだ。

誰でも思いつくアイディアを、誰でも使える技術で実装しているだけなのに、なぜブリリアントサービスは特別なのか?

昨年iPhone5NFCが搭載していたら、きっと各社こぞってNFC対応のサービスを展開したため、一つ一つのサービスは埋もれてしまっただろう。ところが、NFCが搭載されないと分かって多くの企業がNFCを使うのをやめてしまった。そこで変わらずに続けたブリリアントサービスだけが、今は唯一無二の存在となっている。

期間限定のイベントじゃないか、ビジネス規模が小さい、とかいう声が聞こえてきそうだけど、このプロジェクトは既に十分成功だといえる。これらのリンクが全てだ。

大手キャリア3社のプレスリリース全てに掲載されている。広告と考えたら、いったいどれくらいの費用がかかるだろう。単なる広告じゃない、信頼度抜群の広告だ。

次のiPhoneNFCが搭載されたとき、NFCを使ったサービスを展開しようとした時にどこに開発を頼むだろうか?開発を委託する場合に、この実績や信頼を超えてまで、アイディアや技術で勝てる見込みがあるのだろうか?

アイディアでも技術でもなく、実行力こそが最大の差別化要因なのだ。